我が国の国際的影響力の増大に伴い、世界各国の日本に対する関心が著しく高まってきており、深い相互理解に基づく国際 的な交流の必要性が強く求められている。
しかしながら、日本に対する理解はいまだ十分でなく、それがややもすれば日本に対する誤解を生み、国際的な摩擦や緊張
のひとつの原因にもなっている。日本が末永く世界の国々と平和的に共存するためには、こうした摩擦や緊張を緩和し、除去する努力を積極的に行わなければな
らない。
そのためには、広く世界の人々に日本についての正しい認識を得てもらうよう日本自らが全力をあげて取組まなければならないときがきている。
このような状況を踏まえ、昭和62年5月設立された国際日本文化研究センターは、日本文化を国際的、学際的、総合的に 研究し、世界の日本研究者に対する研究協力を目的とする国立の研究機関であるが、学問的に裏付けられた日本への深い理解を促進させるためには、国際日本文 化研究センターの充実発展を図るとともに、日本研究の将来を担う若い優れた留学生・研究者を受け入れ、或いは日本研究の国際シンポジウムを開催するなど、 国際日本文化研究センターへの援助を積極的に推進する必要がある。
広く世界から日本研究の有為な人材を迎え、国際的な日本研究を充実発展させ、深い相互理解に基づく諸外国との友好親善 に寄与しようとすることは、我々の熱い希求である。我々はこの趣旨に基づいて財団法人国際日本文化研究交流財団を設立せんとするものである。